トモマツユキの2020年映画ベスト10選 + α

トモマツユキの2020年映画ベスト10選 + α

2020年はコロナウィルスの影響で、大作映画が公開延期や配信のみになってしまった、かつてない波乱の1年でした。思い返すと3月末に『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』を観に行ってから、6月の『デッド・ドント・ダイ』まで劇場鑑賞を自粛して、その後は週0〜2くらいのペースで鑑賞しました。

これまでは映画は映画館で観るものという気持ちが強くて、配信は映画館で観そびれた作品を観るって感じだったんですが、今年は新作・旧作含めて301本の映画を鑑賞しまして、旧作を見返す時間が作れたのはとても有意義な時間でした。

もちろん、映画館で観る映画は最高なのですが、改めて私はお話の世界にどっぷり浸かれることが自体が幸せで、配信コンテンツがどんどん充実していくのも嬉しいことだなぁとも考えることができる1年でした。

2020年映画ベスト10 ランキング

2020年 新作映画90作品(配信含む)の中から、私の好きな映画を選びました!
まぁ映画ってジャンルも色々だし、順位をつけるもんじゃないなぁとも思うんですが、毎年どんな作品に自分の心が動いたのかを思い返すのはとても楽しい!これから映画を観る方の参考にもなれたら嬉しいです。

1位 パラサイト 半地下の家族

画像引用元:©2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

第92回アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の最多4部門受賞 アジア映画が初めての快挙を成し遂げたポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』

2019年に先行上映で観ちゃってたんですが、この衝撃は1年間、他の映画を観ても変わらないだろうと思ってました。
格差社会を生きる辛さ、というのを描いた映画は沢山ありますが、気持ちが辛くなってしまう作品が多いので、観る人を選ぶ作品になりがちだと思うのですが、このテーマでとってもコミカルなのに、内容は軽くない映画。バランスがすごい…!!
コミカルな前半から、徐々に歯車が狂い始めて、物語の結末がどこに行くのかわからないサスペンス感も、散りばめられた伏線回収の気持ち良さもとっても面白かったです。

ポン・ジュノ監督作品は、『殺人の追憶』と『母なる証明』くらいしか観たことなかったんですが、パラサイト観た後はどっぷりハマってポン・ジュノ作品漁り祭りでした!笑 でも実は『パラサイト』より『殺人の追憶』がもっと好き!あのソン・ガンホの視線…忘れられない!

2位 ジョジョ・ラビット

画像引用元:©2019 Twentieth Century Fox

第92回アカデミー賞 脚色賞受賞 第二次世界大戦下のドイツを舞台に、10歳の男の子がヒトラーに憧れ、イマジナリーフレンドにしてしまうというあらすじに、これをコメディに!?大丈夫??と観る前は不安もあった映画です。笑

でも観てみたらとても甘酸っぱい青春もので、“正しいもの”“悪いもの”を、人から聞いてそのまま鵜呑みにするんじゃなくて、ちゃんと自分の目で見て、感じることが大切ということをジョジョと一緒に考えることができる物語でした。

スカヨハのお母さん役が、昨年のマリッジ・ストーリーでもとても良かったのですが、ジョジョ・ラビットのお母さん役はさらに良かったですね。あぁ。大好きです。

今、ジョジョ・ラビットを思い返すと、巣篭もり生活を虐げられているコロナ禍の状況に重なって、どんな状況でもお洒落を楽しみ、ダンスを踊り、小さな幸せを感じながら過ごしたいという姿が、違った意味で共感できます。この状況が収まったらみんなで踊りたいね。

3位 フォード vs フェラーリ

画像引用元:©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

映像体験としてはダントツBEST1!IMAXで観れて本当に良かった…!
これまで映画のカーチェイスシーンって、自分はあくまでも外から見ている観客的な視点だったんですが、『フォードvsフェラーリ』は、ものすごいスピードと、ギリギリを走る恐怖を、自分が車に乗っているかのように体験をすることができて、どんなホラー映画よりも心臓がバクバクしました!あのドア閉まんないところ…恐ろしすぎる…。私、車に全く詳しくなくて、フォードとフェラーリの関係性も、ルマンが24時間もやってる耐久レースってことも知らなかったんですが(すみません^^;)、そんな知識なくても胸が熱くなってしまう映像でした。

さらにシェルビーとマイルズの深まっていく友情も良かったです。マットもベイルも最高でした!

4位 透明人間

画像引用元:©2020 Universal Pictures

いやー面白かった!!今更、透明人間なんてやらんでも。と若干思ってたんですが(笑)、いつ現れるかというだけでなく、今だから感じられる恐怖が盛り込まれていてゾッとしました。
恐怖って思い込みが強い人ほど感じやすいんじゃないかと思っていて、恐怖する対象を作り出してしまっている本人が一番怖かったりする。
痛快でありながらも含みのあるラストに拍手喝采!エリザベス・モスの怪演も素晴らしかったです!

5位 スウィング・キッズ

画像引用元:©2018 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved.

1951年朝鮮戦争 捕虜収容所で一番のトラブルメーカー ロ・ギスが、元ブロードウェイのタップダンサーと出会い、思想と反するアメリカのダンスに魅了されていく。情熱が国籍も、言葉も、イデオロギーも超えて、寄せ集めチームが一つになっていくところはとても胸が熱くなります。情熱を向けるものが人によって違うから、争いも絶えないんだろうなとも思うけど…。
ロ・ギスを演じたD.O.は、なんとタップダンス初心者!踊っていることが最高に楽しい!ということが、動きと音楽だけで伝わるってすごい!

6位 ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから

画像引用元:©Netflix, Inc.

地味な女の子が、クラスの人気者の男の子にラブレターの代筆をお願いされる。というありがちボーイミーツガールと思いきや、現代的な悩みを盛り込みながらアップデートしたような映画。
愛って筋書き通りに完結するようなものじゃないし、むしろ完結するものですらない。陳腐だと思っていても、自分が戻ってくる場所があるだけで十分愛に溢れてる。素敵なラストシーンに涙が止まりませんでした。

7位 燃ゆる女の肖像

画像引用元:©Lilies Films

2020年最も切なくて、最も美しいラストシーン。とても綺麗な映画でした。
ネタバレなしの見所と、感想は下記の記事に書いてます。

映画『燃ゆる女の肖像』ネタバレ感想|美しいラブロマンスと女性の生きづらさを描いた傑作映画『燃ゆる女の肖像』ネタバレ感想

8位 ハッピー・オールド・イヤー

画像引用元:©2019 GDH 559 Co., Ltd.

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』を作ったタイの制作スタジオGDH559の新作映画『ハッピー・オールド・イヤー』映画のジャンルは全然違うのですが、どちらもすごく面白い…!!個人的にすごく感情移入できて、エモすぎる映画でした。ネタバレなしの見所と、感想は下記にUPしています。

映画『ハッピー・オールド・イヤー』感想|心は簡単に断捨離できない!タイのエモーショナルな映画映画『ハッピー・オールド・イヤー』感想

9位 ブックスマート

画像引用元:©2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

高校生活の全てを勉強に費やし、遊び呆けていたクラスメイトたちを見下していた2人が、卒業前夜のパーティーに潜り込む青春ムービー!
女優のオリビア・ワイルドが初監督を務めた本作ですが、初監督とは思えない!音楽もストーリーも最高にテンションの上がる映画でした!
もともとバディものが好きな私。男の友情ものって面白いのが多いんですが、女子の友情ものでこういうテンションの映画って意外とあんまりなかったですね!音楽の入れ方も独特でとてもかっこ良かったです!

最近、LGBTQを描く映画が増えたことはとても素晴らしいと思うのですが、どれもこれもやたら美しい。誰を好きかなんて全てが特別なのに、それをあえて同性愛だなんだとくくること自体に、私はモヤっとしてきてるんですよ。『ブックスマート』は、すでに多様性が受け入れられて浸透した後の世界って感じですごく好きでした。

10位 リチャード・ジュエル

画像引用元:©2019 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

1996年アトランタ・オリンピックで起きた爆破テロで、不審物を発見して観客を緊急避難させた警備員が、メディアにでっち上げられた報道によって、ヒーローから一変して第一容疑者にされてしまうという、実話を元に作られた映画。
メディアを過剰に悪く見せたことはストーリーの本質として良くなかったのでは?という思いは拭えないのですが、メディアに踊らされている一般市民の私的には、何を信じれば…と考えさせられる物語でした。
リチャードが正しいことをしてるんだけど、かなり危うくてハラハラしっぱなし。笑 脇を固める役者陣がとても素晴らしくてキャシー・ベイツ演じる母のシーンとか思い出すと泣ける…。
題材的にかなりシリアスな映画かと思ったのですが、クリント・イーストウッド監督の手にかかるとハラハラドキドキさせられる面白さでした!

2020年映画ベスト10 まとめ

以上が私の選ぶ2020年映画ベスト10でした!いかがでしたでしょうか。大作映画が公開されなかったのもあって、やっぱりコロナ前に観た映画が多くなってしまいました。

1位 パラサイト 半地下の家族
2位 ジョジョ・ラビット
3位 フォード vs フェラーリ
4位 透明人間
5位 スウィング・キッズ
6位 ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから
7位 燃ゆる女の肖像
8位 ハッピー・オールド・イヤー
9位 ブックスマート
10位 リチャード・ジュエル

2019年公開の映画なので入れなかったのですが、『羅小黒戦記~ぼくが選ぶ未来~』がとにかく最高で、実際に今年一番好きだった映画は羅小黒戦記ですね。見所・感想は下記にUPしていますので良かったら見てみてください^^

映画『羅小黒戦記~ぼくが選ぶ未来~』感想|素晴らしい作画と心温まる成長の物語映画『羅小黒戦記~ぼくが選ぶ未来~』感想

私はシリーズものは年間ベストに入れない派なのですが、待ちに待っていた『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、ヴァイオレットの成長、逆に少佐の弱さ、人間の感情をとても丁寧に描いてくれて本当に素晴らしかったです。京アニさんが最後まで丁寧に作り上げてくれて本当に感謝しかない。出会えて良かったストーリーでした。

『メイドインアビス 深き魂の黎明』もめちゃくちゃ良かったです!テレビでやるにはしんどい場面なので、削らずに劇場でやってくれて本当に良かった!原作読んでてもえぐられます。声優さんたちの演技と世界観の広さが、映像だとより一層絶望に陥れてくれます。笑 続編製作決定もめちゃくちゃ嬉しいニュースでした!
10位内に入れられなかったし、年末でばたついて感想が書けてないのですが、ボンズ新作劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』もすごく良かったです!原作好きだし、邦画もすごく好きなのですが、アニメーションらしい全然違う見せ方でとても良かったです。

邦画は圧倒的に『スパイの妻』が面白かったです!『ミセス・ノイズィ』が見せる人間の二面性もすごく面白かったし、今泉力哉監督の『his』『mellow』どちらもすごく好きでした。

『シカゴ7裁判』『黒い司法 0%からの奇跡』『ハスラーズ』『9人の翻訳家』『ストーリー・オブ・マイライフ』『mid90s』『ロングショット 僕と彼女のありえない恋』・・・あたりも好きで、あ〜もう10に収めるなんて全然無理だよ!!!って感じです。笑

例年より出会えた数が少ないと思いきや、2020年も沢山の素晴らしい映画に出会えて良かったです!