原題:Christopher Robin
公開:2018年
監督:マーク・フォスター
原作:A.A.ミルン、E.H.シェパード
脚本:トム・マッカーシー|アレックス・ロス・ペリー|アリソン・シュローダー
出演:クリストファー・ロビン:ユアン・マクレガー
クリストファー・ロビン(子供時代):オートン・オブライエン
イヴリン・ロビン:ヘイリー・アトウェル
マデリーン・ロビン:ブロンテ・カーマイケル
ジャイルズ・ウィンズロウ:マーク・ゲイティス
プー:ジム・カミングス
他
あらすじ
100エーカーの森で、クリストファーロビンとプーと仲間たちは、いつも冒険を楽しんでいた。しかし、その冒険に終わりがやって来た。クリストファーロビンが、寄宿学校に入ることになり、イギリスの田舎町から、ロンドンへ引っ越すことになったのだ。クリストファーロビンは、プーに「君たちのことは絶対に忘れない」と言って、100エーカーの森を去るが、厳しい学業や戦争など、激動の日々を過ごす中で、次第に子供心を忘れていってしまった。
プー達と別れてから、30年の月日が流れ、クリストファーロビンは結婚し、最愛の娘と家族を守るため、仕事に明け暮れていた。戦後で経営は厳しく、クリストファーロビンの部署は、上部からコストダウンしろと迫られる毎日。週末は家族旅行の予定だったが、またも仕事になってしまい、家族を大切にしないクリストファーロビンに怒った妻は、クリストファーロビンを置いて、娘と旅行に行ってしまうのだった。
それでもクリストファーロビンは、家族のため、仕事を立て直すことで頭がいっぱい。そんな中、100エーカーの森で、仲間達とはぐれてしまったプーが、クリストファーロビンに助けを求めにロンドンにやって来て、30年ぶりの再開を果たすのだった。
作品の見所
1926年にイギリスの作家A.A.ミルンが息子のクリストファー・ロビンのために書いた短編集「クマのプーさん」が原作のディズニーキャラクターでも人気上位の「くまのプーさん」が遂に実写化! 100エーカーの森には、個性豊かな仲間達がたくさんいるので、簡単にご紹介します!
![]() |
POOH プー クリストファーロビンの一番のお気に入りのクマのぬいぐるみ。はちみつが大好きで食いしん坊。マイペースで物忘れが激しく、何かすると何か忘れてしまう。でも優しく仲間思い。 |
![]() |
PIGLET ピグレット 小柄なブタのぬいぐるみ。とても臆病で怖いものがあるとすぐに逃げて隠れてしまう。でも怖いながらも仲間のためなら頑張る勇敢な一面も。 |
![]() |
TIGGER ティガー しっぽがバネのようになっているトラのぬいぐるみ。お調子者で暴れん坊。割とテキトーなことをいう。自信家だが、実は一番臆病もの。 |
![]() |
EEYORE イーヨー しっぽが取れやすいロバのぬいぐるみ。衝撃的なくらいネガティブ。とにかくマイナスに捉え、マイナスなことをいうのですが、意外と問題解決に重要なことを言ったりする。 |
他にも100エーカーの森にはラビットやオウル、カンガとルーなど、たくさんのキャラクターが住んでいます。
基本的に、プーさんと仲間達は、自分中心というかマイペース。みんな欠点、というか足りない部分があるのですが、仲間達と集まることで補い合っています。自分を飾ることなくそのまんまでいる。それが100エーカーの森の仲間達なんです。
仲間達と一緒にいるのはとっても楽しいけれど、人間であるクリストファーロビンは、ずっとそのまんまではいられないんです。いつかは大人にならなくちゃいけないし、大人になるということは、自分の欠点を隠し、周りに合わせ、一人でも生きる力を身につけなくてはいけないのです。今作「プーと大人になった僕」では、100エーカーの森を出てからの、クリストファーロビンの変化がしっかり描かれています。
アニメ版の子供の頃のクリストファーロビンを想像していると、性格の変化にきっと面食らうと思いますが、社畜な日本人の方は特に共感せざるを得ない部分がいっぱいです!毎日毎日仕事のことばっかり考えなきゃいけない大人達は、是非、映画館で「プーと大人になった僕」を観て、一息ついて欲しいです。
ちょこっとネタバレありの感想
最初に実写化を知った時は、大人になったクリストファーロビンの物語ということで、トイストーリー3のような、おもちゃとはもう卒業みたいな話になるのかなぁと想像してました。
大人になったクリストファーロビンは、私が想像していた以上に、プーに関心が無くなっていました。。。せっかく30年ぶりにあったのに、仕事のことで手一杯のクリストファーロビンは、なんとかプーを100エーカーの森に帰らせようとするんです!! わ、私の知ってる可愛いクリストファーロビンじゃ無い!!!!! というギャップを埋めるのに、なかなか時間がかかりました。笑 まぁ、今、アラサーの私が、子供の頃遊んだおもちゃのことを考える日が、年に1回あるかと聞かれたら、ほぼほぼ無いので、あれがリアルな反応なんですよね・・・。それでもなんだか悲しくって、切なくって、可愛いクリストファーロビン、戻ってきて!!と願うばかりでした。笑
でも、クリストファーロビンは、決して冷たくなったわけではなくて、必死に正しい「大人」になろうと、真面目に頑張りすぎて、「働くこと」が一番になってしまったんですよね。本当に大切なものがわからなくなる程に。そして、昔から全く変わらないそのまんまのプーと接するうちに、ちょっとずつちょっとずつ元の自分を取り戻していく姿は、凝り固まった心を揉みほぐされていくような感じで、とても心温まりました。
毎日仕事が中心になって、凝り固まりすぎた私は、正直、何にもしないが何かを産むとは思えず、プーの名言がそんなに心に響かなかった自分に、<私も大人になっちゃったなぁ>と寂しくなりました・・・。
でも、物忘れの激しいプーが、クリストファーロビンの好きなことをずっと変わらずに覚えていてくれたのはとても素敵だし、本当の自分を知っていて、ずっと大事に思ってくれる人がいてくれること、いつも忘れずにいたいなぁと思いました。
映画全体を通して、プー達ぬいぐるみが可愛いのはもちろんのこと、イギリスの風景もファッションもインテリアも、とてもおしゃれだったし、物語もコミカルな感じと、センシティブな感じが絶妙なバランスで、とっても楽しかったです!
この日は、ジャパンプレミアの後の試写会で、気持ちが昂りすぎてたのもあるので、もう一度劇場でじっくり観れたらいいなと思ってます!
これを読んで、興味を持っていただけましたら、是非映画館で観てみてくださいね!