トモマツユキの物語中毒 2022年3月

映画・アニメ・ドラマのレビューイラスト トモマツユキの物語中毒 2022年3月

前月に観たエンタメ作品の中からお気に入りの作品をピックアップしてイラストコラムにまとめました!

3月は正直な話、『私ときどきレッサーパンダ』一強と言っても過言ではないほど、胸を鷲掴みにされました! もう大好きな作品です!

2022年3月に観たお気に入りの作品

私ときどきレッサーパンダ

おすすめ

母親の期待に応えるため、成績優秀、家の手伝いも完璧にこなす13歳のメイリン。
本当は友達と好きなアイドルや、男の子の話をしたいけど、母の前ではそんな自分を隠してるんです。しかし、とある事件によって、その思春期のモヤモヤが大爆発! メイリンは気持ちが昂ると大きなレッサーパンダに変身してしまうようになってしまい……!?

というストーリーなんですが、今のSNSっぽい表現を盛り込んだ楽しい映像に、熱い友情にほっこりさせられるし、笑えるシーンだらけ! さらに、思春期の不安定な感じがものすごく共感できて、何度も涙がこぼれました。

子どものみんなも絶対に楽しめるけど、かつて子どもだった人や、親になった人も、違った視点で観れる大傑作です!

ディズニー+でドキュメンタリーの方も観ましたが、こちらもまた面白い! そして、ドミー・シー監督が日本のアニメオタクということに納得! 同世代のアニメ好きとしてはハマらないわけがなかったなと改めて思いました。笑

『ソウルフル・ワールド』以降、映画館で上映されてないPIXAR作品ですが、本作の映像も本当に素晴らしく、あのふわふわを劇場公開しないなんて!! と憤慨しています。いつかまた劇場公開してくれることを願っています。(今更だけど、とにかく『ソウル』を劇場で流して欲しい!!!)

SING/シング: ネクストステージ

おすすめ

ムーン劇場が再建されて、地元の評判も上場! でも、バスターはエンターテイメントの聖地であるレッド・ショア・シティでのステージを夢見て、仲間たちを連れてオーディションに乗り込む!

というストーリーなんですが、演者たちが新しい舞台に行くのは素晴らしいと思うものの、私はムーンは自分の劇場を発展させることが夢だと思っていたので、自分の劇場で新しいスターを発掘していくべきなのでは?と思いました。あと、地元の人たちは劇場がお休みでショーが見られないのかな?と気になりました。

もう一つ気になってしまったのが、カップリングが同じ種族なこと。あんなに多様性に富んだ世界なのに、ゾウはゾウと、ライオンはライオンとくっついているのがちょっと違和感を感じました。

そもそもなんで動物の姿なんだろう? ディズニーの『ズートピア』は動物である意義を感じる作品ですが、『SING』は私にはその意義がわからなくて、ノリだけ面白い作品と思ってしまうんですよね…。

まぁでもうるさいことを言うような映画じゃないんで(笑)、1作目と変わらずパワフルで元気が出るとっても楽しい作品でした!

キャロウェイがチョロすぎ(笑)だったり、全てご都合主義なんですが、歌が良いので勢いを止めなくて逆に良かった気がします。

わがまま娘のポーシャがとても可愛くて、もし3があったら、是非とも成長した彼女に出てきて欲しいですね!

ザ・バットマン

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『バットマン』は、億万長者のブルース・ウェインが、マスクで姿を隠し“バットマン”として、ゴッサムシティで起こる犯罪者と陰ながら戦うストーリーですが、今作は“バットマン”としての活動2年目で、まだまだ未熟な頃の物語。

今回はバットマンの探偵である部分を掘り下げた物語だったのですが、行ったり来たりしながら、勝手に解決していくんで、観ている側としては振り回されているだけな感じで、私は少し冗長に感じました。アメコミ映画ってなんか長いけど、単体のヒーローの作品はもうちょっと短くまとめても良いのでは?と思うのは私だけ?

と言っても、とても面白かったので、是非、続編もやって欲しいです!

ロバート・パティンソン演じるバットマンは、親の死から心に影を落とした雰囲気をどんよりとまとっていてとても良かったですし、ゾーイ・クラヴィッツのキャットウーマンは今までのキャットウーマンの中で一番好きでした! リドラーが現実にいたらすごく嫌〜な不気味さで素晴らしい怪演でした。

ムーンナイト

おすすめ

ディズニー+ オリジナル MCUドラマ最新作

CM見た瞬間「月○仮面!?」と思ったのは私だけではないはず(笑)。 マントひらひらで、すごく厨二病っぽいヒーローだなぁと思いました。

しかし、多重人格者の主人公が、もう一人の人格に体を譲っている間に様々な事件に巻き込まれていく、複雑で先が見えないストーリー。

『スターウォーズ』でポー・ダメロンを演じていたオスカー・アイザックは、もっと活躍すると思っていたのに、正直キャラが立たなかった印象ですが、『ムーンナイト』では、多重人格のスティーブンとマークの演じ分けがすごいです! 演出的には何も変わらないのに、キャラが変わったことが明確にわかる演技。

今のところ(書いてる時点で3話まで鑑賞済み)、MCUとの絡みはなさそうですが、MCUのドラマは、後半にビックサプライズがあるので、とにかく今は先を楽しみに待ちます!

アネット

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試写で3月に拝見させていただいました。

レオス・カラックス監督の作品を観るのも初めてで、スパークスのことも全然知らなかった無知な私。 ダークファンタジー・ロック・オペラ!? って何? 状態で観に行ったのですが、冒頭の演出から「なんだこれ!?」と一気に引き込まれました。

まるで夢を見ているような映画というか、夢であって欲しい現実の物語。

私はフランスのミュージカル映画も好きなので、歌うようにセリフをいうのも全く気にならなかったのですが、アネットが登場した時は人形の違和感にゾッとしました。しかし、演出は奇抜で奇妙な感じがするものの、物語はシンプルで破綻せず、最後まで観ると演出の意図がちゃんとわかるようになっているのが良かったです!

どんよりとしたクライムムービーなんだけど、アダム・ドライバーが演じているせいか、クスッとしてしまうシニカルさがあってすごく私好みでした。(しかし、この映画はすごく観る人を選ぶと思う。)

そしてやっぱり音楽が素晴らしく良いですね! 一気にスパークスにハマってサントラを何度も聴いています!

2022年3月 振り返り

3月は忙しかったのもあって、ミニシアター系は全然観にいけなかったのですが、PIXAR、ILLUMINATIONの新作が観れて楽しかったです!なんども言うけど、PIXARこそ、映画館で観たいのに配信オンリーなのはどうにかならないのか……。

2月にすごく面白かった『愛なのに』の、城定秀夫監督 × 今泉力哉監督の異色のコラボレーション プロジェクト『L/R15』の第二弾『猫は逃げた』は、すごく楽しみにしていたんですが、個人的にはあまりはまらずでした…。

まぁ猫も逃げるよな…という登場人物たちで、私は猫が可哀想に思えてしまいました。

私は、今泉力哉監督の言葉のセンスが好きなので、やはり脚本が今泉力哉監督の方が好みだなと思ったのと、『愛なのに』の城定秀夫監督の濡れ場の表現がすごく良かったので、『猫は逃げた』は物足りなさを感じました。『愛なのに』はそれぞれの個性を引き立て合っていたけど、『猫は逃げた』は逆に良さを殺していたように思ってしまったかなぁ。

是非、また監督:城定秀夫さん、脚本:今泉力哉さんでの映画を作ってくださることを楽しみにしています!